切り替え回数が削減され、在庫リスクも抑制。 より先の見通しも立てやすくなりました

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  3. 【日本触媒様】高吸水性樹脂の生産計画最適化
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株式会社日本触媒 様 (姫路製造所)

​日本触媒が生産する高吸水性樹脂(以下、SAP)は、主に紙おむつなどに使われ、乳幼児向けや大人向けなどの用途に応じて吸水性や保水性が異なる多種多様な製品が存在します。それぞれ生産条件が異なるなか、切り替えの回数を抑制しつつ、需要変動に対応するための適正在庫を維持してバランスよく生産することが長年の課題でありました。また、従来これらの生産計画作成には、多大な労力がかかり、豊富な知識と経験が必要なため属人化も大きな課題でした。そこでALGO ARTISは、熟練者の経験・ノウハウ・実務上の複雑な運用ルールをAI(アルゴリズム)へ移植し、SAPの生産計画を最適化するソリューションを開発しました。当ソリューションを導入した背景やその成果について話を聞きました。

導入前の課題

  • 表計算ソフトで多大な時間を費やして計画を作成していた
  • 属人化しており技術・ノウハウ伝承に課題があった
  • 在庫状況優先で効率化の検討が不十分だった

導入後の効果

  • 計画作成時間が大幅に短縮した
  • アルゴリズムによる自動提案で非熟練者をサポートし属人化を抑制
  • 切り替え回数の削減、在庫不足の抑制

お客様の声

Case Interview

生産計画最適化ソリューションを開発 課題であった属人化の解消や在庫リスク抑制に寄与

お話を伺った方

左から、吸水性樹脂製造部 生産技術課 主席部員 梅原康平様、吸水性樹脂製造部 藤原悟様、秋津貴宏様、DX推進部 主任部員 中谷香織様

生産計画はプレッシャーのある仕事です。 業務負担が多く、属人化も進んでおり、 大きな課題となっていました。

吸水性樹脂製造部 秋津貴宏様

事業戦略「SAPサバイバルプロジェクト」の一つの施策として検討開始

梅原様

導入前を振り返ると、当時社内では「SAPサバイバルプロジェクト」というSAP事業の競争力強化に向けた取り組みが進められており、その中の一つのテーマとして“生産計画の改善”に関する検討を行っておりました。検討を進める中で、DX推進チーム(DX推進部の前身、以下DX推進部)にALGO ARTIS(当時のDeNA、以下ALGO ARTIS)をご紹介いただいたことが本件のきっかけです。私自身は普段、機械・設備の選定やプロセス設計業務などを担当しておりますが、今回の導入に当たっては自ら手を挙げて推進担当者になりました。

計画策定の業務負担と属人化も大きな課題

秋津様

生産計画は、穴をあけてはいけないプレッシャーのある仕事です。営業から年間の販売計画を受領し、それを月ごと・日ごとの生産計画に落とし込んでいくのですが、製品数に対してプラント数は限られるため、いかに製品切替を行っていくかを考える必要があります。

また、顧客数は非常に多く、急なリクエストを含め対応が必要であるため、残業することも少なくない状況でした。さらに、業務が属人化しており、担当者の休みがあると対応しきれないなど、大きな課題となっていました。こういった業務負担や属人化を緩和することも狙いの一つとして、本件に取り組むことになりました。

全員一致でALGO ARTIS。 様々なリクエストに対して、 一番「できる」という回答が多く期待が持てました。

吸水性樹脂製造部 生産技術課 主席部員 梅原康平 様

全員一致でALGO ARTIS

梅原様

導入検討に当たっては、ALGO ARTISを含めて3社で比較を行いました。3社と協議を進める中で、様々なリクエストを伝えて“何ができて、何ができないのか”を見定めていきました。その結果、メンバー全員がALGO ARTISが良いと一致しました。ALGO ARTISが一番「できる」という回答が多かったからです。計算時間の速さもポイントの一つでした。

中谷様

DX推進部の当時のリーダーが化学工学の専門家で、数学的な内容や技術にも明るい人材だったのですが、リーダーも”ALGO ARTISのメンバーは神々の領域で遊んでいる方々だ。この方々と付き合っていれば当社にも良い影響が出るはずだ”と、強く推していました。

社内の後押しでスピード感を持って進められた

梅原様

本来であれば、こういった検討はなかなか進みづらいと思いますが、本件は社内上層部の後押しもあり、かなりのスピード感で進めることができました。また、アセスメント(最初の技術検証フェーズ)の段階で、かなり出来上がっている印象もあり、投資対効果が期待できると考えたため、次に進む意思決定や社内の説明もしやすかったです。

対外的にも評価の高いアルゴリズムエンジニアが、 顧客に寄り添って開発を行うため、 非常に進めやすかったと感じています。

吸水性樹脂製造部 生産技術課 主席部員 梅原康平 様

過去のスケジューラ導入の失敗経験

秋津様

実は、過去にスケジューラの導入に取り組んだ経験があったのですが、その時は業務が多忙だったこともあり、なかなか対応しきれずうまくいきませんでした。こういった苦い経験もあったことから、正直最初は身構えていました。ただ今回は、梅原さんやDX推進部が入っており、ALGO ARTISも一緒に並走して考えていくスタイルで毎週ミーティングを行ってくれたため、導入に至ることができたと考えています。

ALGO ARTISの人材と開発手法

梅原様

ALGO ARTISのアルゴリズムエンジニアは、対外的にも評価の高い人材ですが、こちらに歩み寄って話をしてくれます。開発手法も、最初に決めたものを作っていくというより、その都度出てきた問題を解決していく形でまさにアジャイル型の開発であり、非常に進めやすかったと感じています。また、ベンダー選定においては、秋津さんが細かな確認ポイントを事前に整理してくれたため助かりました。一度失敗した経験がなかったらALGO ARTISを選べなかったかもしれません。

半年先や一年先など、 より先を見通すことができるようになり、 在庫リスクの抑制に繋がっています。

吸水性樹脂製造部 生産技術課 主席部員 梅原康平 様

切替回数の削減、在庫リスクの抑制に寄与

梅原様

導入後の効果としては、まず切り替え回数が削減できたという点があります。もちろん他の要素もあるため一概にこのシステムの効果とは言えませんが、既に3/4か2/3程度にはなってきています。また、以前は局所的に在庫が不足しかけることがあったのですが、このシステムを活用すると3か月先が見通せるため、月次計画では見えなかったものが見えるようになりました。作ろうと思えば半年先・1年先も作れるため、より先を見通すことで在庫リスクの抑制に繋がっていると感じています。

年度予算策定にも活用

秋津様

以前は日割の販売量などを見ながら、試行錯誤しながら膨大な時間をかけて生産計画を策定していましたが、今はこのシステムが計画を策定している時間に、他の業務ができるようになりました。今回、年度予算策定においてもこのシステムを活用しましたが、バランスの良い計画が作れたのでほぼそのまま採用しています。通常と異なり計算時間は長くなりますが、計算している間にそれ以外の業務ができますし、年度予算はこれまで丸二日くらいかけていたので非常に助かりました。

更なる改良余地

藤原様

基本の生産計画としては月初と月中の月二回程度策定を行っていますが、追加のオーダーが頻繁に来るため、都度計画修正しています。今はまだ織り込めていない要素もあると感じており、システムの出力結果の確認作業にも時間がかかっています。今後、システムの改良を行うと同時に、システムを使いこなしていき、より良い計画策定をできるようにしていく必要があると考えています。

秋津様

確かに、実際に現場でシステム活用・結果検証を繰り返す中で、導入過程では見えなかったものもあります。例えば、営業戦略上のリクエストや、プラントごとの癖など、細かな条件変更がまだ自動でやり切れていない部分があるので、改良余地はまだあると思います。一方でプラスの面もあり、システムが出力した結果を見ていると、昔ながらのやり方を継承してきた部分で、視点を変えると確かにこういうやり方もありだな、という発見があり、オペレーションの改善にも繋がっていくと感じています。

ユーザーにやさしい仕様

梅原様

入力条件に誤りがあった際に、もちろんエラーが起こるのですが、その入力エラーの内容が日本語でわかりやすく表示されるために、とても助かっています。そのため、導入後、計算パラメータに関してはALGO ARTISの担当者に相談することはありますが、操作方法については導入後相談することはほぼありません。初心者でも特に講習会に参加することなく使用することが可能で、大変使いやすい仕様と思っております。

基幹システムとの連携による 日々の在庫変動の見える化など、 新たな使い方も検討し始めています。

DX推進部 主任部員 中谷香織様

今後の展望

中谷様

今後は、社内システムとのハイブリッドで新たな使い方も検討し始めています。具体的には、日割りの在庫変動を、基幹システムのデータを活用して自動で見える化できるようにしようと考えています。これを実現すると、毎日このシステムを活用していく形になると思います。

梅原様

まずはより良い計画を策定できるように、社内で条件の定義を行っていき、細かな調整をしていきたいと考えています。また、例えば近年は燃料価格の変動が激しいため、用役の市況に応じた生産計画の策定などもできるようにしていきたいと考えています。

ページ上の内容は2023年2月時点の情報です。

資料提供:株式会社​日本触媒

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